在留資格とは、外国人が日本に入国・在留して従事することができる活動、あるいは入国・在留できる身分又は地位について類型化したものであり、「出入国管理及び難民認定法(入管法)」に定められています。

在留資格一覧

日本に在留する場合には在留資格が必要になりますが、大きく分け「就労による在留資格」と「身分による在留資格」に分類されます。
下記の2種類の在留資格のうち、どちらかの在留資格に該当しない外国人は、原則として入国して働くことができないことになります。
当事務所は、入国後も就学・就職・転職・結婚・離婚・企業等による在留資格の変更や期間更新、あるいは永住者の相続問題など入国の際のみならず、在留する外国人の様々な人生の重要な節目に応じてトータルなサポートを福岡を中心に(福岡県・佐賀県・長崎県・大分県・熊本県・鹿児島県・宮崎県・山口県に対応)行っています。

就労による在留資格

教授、芸術、宗教、報道、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、興行、技能、技能実習に分かれています。

身分による在留資格

永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者に分かれています。

在留資格申請の種類

在留資格認定証明書交付申請(海外から日本に呼ぶ手続)

在留資格認定証明書は、日本に入国しようとする外国人が、在留資格に該当しているか(在留資格該当性)、あるいは、上陸基準に適合しているか(上陸許可基準)について、事前に申請書類を入国管理局に提出し、これを法務大臣が審査して上記要件に適合していると認定した場合に交付されるものです。
なお、「短期滞在」「永住者」「特定活動」等の在留資格は、この制度の対象外とされており、適用されません。

具体的には、海外から外国人を日本に呼ぶ場合の申請です。
外国人の労働者(コックやエンジニア等)、ダンサー、配偶者や子を日本に呼ぶ際に、必要書類を収集・作成し、入国管理局に申請します。
その外国人が在留資格の要件・上陸の要件を満たしていれば、「在留資格認定証明書」が交付されます。それをもとに、現地の日本大使館でビザの申請をし、ビザの発給を受けたら日本の入国することが可能となります。

在留期間更新許可申請(在留期間を更新する手続)

日本に在留する外国人は、在留資格認定の際に、在留期限が定められ、その期限内の在留を許されていますが、その認定された在留期以内必ずしも在留活動の目的を達成できるとは限りません。そのときは、在留期間の延長をする必要が生じます。その場合は、在留期間更新許可申請を行い、法務大臣の許可を得れば、在留期限を更新することが可能です。期間満了の3か月前から更新の申請することができます。
なお、在留期限が過ぎてしまうと、不法在留となり、退去強制の対象となります。「法務大臣は、…在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当な理由があるときに限り、これを許可することができる」とされていることから、必ずしも更新が許可されるとは限りません。

在留資格変更許可申請(現在の在留資格を別の在留資格に変更する手続)

在留資格のある外国人が、その目的を変更して別の在留資格に該当する活動を行おうとする場合、在留資格を新しい内容に変更するための在留資格変更許可申請を行う必要があります。
例えば、在留資格「留学」の外国人学生が、卒業後に日本の会社に就職が決定し、就労可能な「技術・人文知識・国際業務」に変更する場合等です。
在留期間更新許可申請とは異なり、変更を希望する時点でいつでも申請することが可能です。

資格外活動許可申請(アルバイトする場合等に取得する許可)

日本に在留する外国人は、認定された在留資格の範囲外の活動を行い、報酬等を得ることはできません。それを行う為には、資格外活動許可が必要です。ただし、許可される活動は、臨時的又は副次的に収益活動を行う場合に限ります。
例えば、留学生が、学費や生活費を補う目的でアルバイトする場合です。

再入国許可申請(一旦帰国に日本に再入国する際の許可)

日本に在留する外国人が一時的に外国に出国し、日本に再入国する際、あらかじめ日本政府の再入国許可を受けておけば、出国前と同じ在留資格のまま再入国することができます。ただし、期限は、①在留許可の在留期限を超えず、かつ②5年を超えない範囲内となっています。
なお、2012年7月9日からは、有効な旅券及び在留カードを所持する外国人が、出国後1年以内に再入国する場合、原則として再入国許可を受ける必要がなくなりました(みなし再入国許可)。

就労資格証明書交付申請(転職する場合の手続)

就労資格証明書は、働くことができる在留資格を有していることを法務大臣が証明する文書です。
企業が外国人を雇用しようとする場合や、外国人本人が就職・転職等において、日本で就労する資格があることをこの証明書で確認、証明できるものです。

1.就職前の会社で従事していた職種と変わらず、転職時期が在留期限に切迫していない(6か月以上猶予がある)場合

就労資格証明書交付申請を行う
*この証明書が交付されれば、次回の更新は単純更新と同様の取扱を受ける。

2.就職前の会社で従事していた職種と変わらず、転職時期が在留期限に切迫している(6か月を切っている)場合

期間更新許可申請を行う
*働くことができる在留資格を有していないと判断されれば更新が不許可になる。

在留資格取得許可申請(赤ちゃんが生まれた場合等)

日本に在留している外国人の赤ちゃんが生まれた場合など、入管法上の上陸手続きを得ることなく日本に在留することとなる外国人が、在留資格を取得する場合の申請です。
対象となる場合

  1. 日本で赤ちゃんが生まれた場合(新生児)
  2. 日本国籍を離脱又は喪失した場合
  3. 日米地位協定上の身分で在日米軍基地などに在留していた軍人が退役した後に、
    引き続き日本に在住することを希望する場合

外国人の親から出生した子は、当然に日本国籍を取得しないので、在留資格の手続きをしなければ、日本に居住することはできません。
この在留資格取得許可申請は、出生後30日以内に行う必要があります。

在留特別許可申請(不法滞在・不法入国状態の解除・解決の手続)

不法滞在者等を日本から強制送還するための退去強制の手続きの過程で、法務大臣が例外的に日本での滞在を認める措置です。
オーバーステイ等によって日本で不法滞在した人は、原則として全員が退去強制手続きを受けることになります。しかし、その手続きの中で、法務大臣が様々な事情を考慮して例外的に日本に滞在することを許可した場合には、正規の在留資格が与えられます。

この在留特別許可は、法務大臣の裁量に任されているため、「日本に在留する理由がない」とされれば、当然に本国に強制送還されることになります。あくまで、例外的な人道的な救済措置のひとつなので、具体的な許可基準等は公表されておらず、人道的な配慮の必要性を含め、個別で判断されるので、必ずしも許可されるとは限りません。

一般的に許可されやすいケースの一例
1.日本国籍をもつ者と婚姻した外国人
2.在留資格「永住者」「定住者」をもつ外国人と婚姻した外国人
3.日本人との間に生まれた日本国籍の子の親である外国人